この記事は平広之医師が監修しました
医療法人社団豊饒会理事長・RDクリニック東京銀座 院長
形成外科学会専門医
1987年筑波大学医学専門学群卒業後、東海大学医学部付属病院、東海大学医学部付属八王子病院 形成外科医長を経て、2023年医療法人社団豊饒会理事長・RDクリニック東京銀座 院長に就任。
皮膚の役割と機能
皮膚は身体の最も表面で、私たちの体を守る働きをしています。体を守る以外にも、老廃物の排出や体温の調節、エネルギーの保管、感覚の伝達などの役割を担っています。
保護作用:バリア機能
皮膚の役割の中でもとくに重要なものが「バリア機能」としての役割です。
「バリア」とは、日本語で「障壁」や「壁」という意味ですが、その言葉の通り、皮膚は体の内部と外部を遮断する「壁」となり、様々な有害物から私たちの体を守っています。
具体的には、以下の働きをしています。
- 細菌・ウイルスやアレルギーの原因物質(ダニや食べ物など)などが体内へ侵入するのを防ぐ
- 体内の水分が蒸発するのを防ぎ、維持する
分泌・排泄作用:老廃物の排出
汗腺から汗として、体内の老廃物を排出する働きがあります。
体温調節作用
寒いときには立毛筋を収縮させて体温を維持しようとし、暑いときには汗を出すことで体温の上昇を防ぐ働きがあります。
貯蓄作用:エネルギーの保管
皮下に脂肪を蓄えることでエネルギーを保管します。
知覚作用:感覚の伝達
皮膚は感覚器官でもあり、痛みや痒みを感じるだけでなく、触感・温感・冷感などの外界の情報を察知するセンサーとして働きます。